「バリ・ヒンドゥーと仏教」Part1

バリ・ヒンドゥーや仏教について、バリ人の僧侶(兼画家)と語り合った事を書き留めてみるシリーズです。今回はサン・ヒャン・ウィディの絵について質問をしてみました。
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森次:サン・ヒャン・ウィディ(Sang Hyang Widhi)の肩や股間についているものは何ですか?三鈷杵、バジュラでしょうか?ナワ・デワタ(Nawa dewata)に描かれている神々の武器の象徴と似ているように思えるのですが。

バリ人僧侶:描き方が似ていたとしても、バジュラではないです。股間については、サン・ヒャン・ウィディが男でも女でもない事を強調するために、バリ島の伝統的な装飾が描かれています。サン・ヒャン・ウィディがこの世にあらわれた姿が、Siva、 Visnu、 Brahma、であり、それだけでなく、Parwati、 Saraswati、やその他の女神の形をとる事もあるので、性別が無い事が重要なのです。また、バリ島では画家が個人個人の解釈で様々な描き方をするので、宗教画の意味が統一されていない事も普通です。バジュラはバリ・ヒンドゥーではグンター(Genta、ガンター、金剛鈴)の形をしていて、グンターはデワ・イスワラの武器としてナワ・デワタ(Nawa dewata)に描かれていますよね。

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